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  年金&老後の年金受給について (1)
[本ページ]
1. 国民年金と厚生年金の仕組み
2. 法人の社会保険料の負担は?
3. 厚生年金と健康保険料の合計額
4. 国民年金は低負担。 しかし・・・
[次ページ]
5. 「国民年金基金」とは?
6. 「全国民の年金一元化」の見通し
7. 年金は「高利回り」でオトク。


  1.国民年金と厚生年金の仕組み  

 国民年金、厚生年金、共済年金など、日本の年金制度には様々なタイプの年金があります。

(1) 国民年金とは
 国民年金は、「日本国内に住む20歳~60歳未満の全ての人が加入する年金(基礎年金)」となります。個人事業主(自営業者)だけでなく、サラリーマンや公務員などの被用者年金制度の加入者にも共通する基礎年金となっています。

(2) 厚生年金とは
 民間会社のサラリーマンの場合、この基礎年金に上乗せする年金として「厚生年金」にも加入しており、2階建ての年金となっています。「サラリーマンは厚生年金だけじゃないの?」とお考えの方もいらっしゃるかと思いますが、実際には「国民年金という基礎年金を土台にして、その上乗せの年金として厚生年金にも加入している」ということになります。厚生年金は報酬比例となっており、給料が多ければ多いほど年金の掛け金(&支給)が増えていきます。また、勤務先によっては、「厚生年金基金」の制度を設けていて、3階建ての年金を掛けている方々もいます。

(3) 共済年金とは
 「共済年金」とは、公務員や私立学校教職員など、共済組合の職員に給付される年金であり、基礎年金に上乗せするための年金となっています(いわゆる“2階建ての年金”)。公務員の共済年金の場合、サラリーマンの厚生年金よりも受給率がやや高く、現時点では「官民格差」が生じていますが、2015年10月(平成27年10月)には共済年金と厚生年金が一元化され、公務員も厚生年金に加入することとなりました。

(4) 国民年金基金とは
 個人事業主(いわゆる 第1号被保険者)の場合、厚生年金のような「上乗せ年金」に代わるものとして「国民年金基金」に任意で加入することができます(詳細後述)。


  2.法人の「厚生年金保険料」の負担について  

 法人の際に徴収される社会保険料には、「厚生年金保険料(老後の年金)」と「健康保険料(病気の健康保険)」の2つがありますが、ここでは前者の「厚生年金保険料」の負担額について少しお話ししたいと思います。

 厚生年金保険料は、会社と個人とで折半して負担するものになりますが(余談ですが、健康保険料も会社・個人で折半負担)、会社と個人の金額を合計するとかなりの金額になります。

 例えば、健康保険料を勘案せず「年金の掛け金」のみで個人事業(国民年金保険料)と法人(厚生年金保険料)とを比較してみると、国民年金保険料は収入金額に関係なく一律で月額 1万5千円 (年額約18万円)程度ですが、法人の場合、社長の月給が 20万円 なら厚生年金保険料の総額(会社+社長個人の合計) 3万4千円(年額 40万8千円)、月給 30万円 なら 5万2千円(年額 62万4千円)、月給 40万円 なら 7万円(年額 84万円)とバカ高くなります。

会社組織にした場合の月額の「厚生年金保険料」の比較
給料 本人負担 本人+会社合計 同左 年換算 参考:国民年金 同左年換算
20万円 17,000円 34,000円 408,000円 15,000円 180,000円
30万円 26,000円 52,000円 624,000円 同 上 同 上
40万円 35,000円 70,000円 840,000円 同 上 同 上
(平成26年6月調査)

 このため、仮に自分一人で会社を設立した(いわゆる一人会社)としても、社会保険料の会社負担分と社長個人負担分とを合計した「トータルの持ち出し金額」は個人事業(国民年金&国民健康保険料)のケースよりも多くなります。開業時に月給30万円でスタートすれば、厚生年金合計額(本人+会社負担額の合計額)と国民年金との年間差額は、624,000円-180,000円=44万4千円 (年額) となります。

 個人負担額(本人負担26,000円×12か月=312,000円)と 国民年金(15,000円×12か月=180,000円)とを比較しても、312,000円-180,000円=13万2千円 (年額) の負担増となります。

 開業間もない頃は、当初予想していたほど収入が得られないケースも多々あります。大した収入も無い中で、社会保険料が重い負担になってしまうのも困りモノですよね。会社法施行により「株式会社を1円でも作れるようになった」とはいえ、法人化すれば費用負担も大きくなりますので、ご注意ください。


  3.参考:毎月の厚生年金と健康保険料の合計額は?  

 なお、参考までに「厚生年金保険料」と「健康保険料」の金額は、以下のような金額となります(厳密には、各都道府県によって多少金額が異なります)月給30万円なら、本人負担の合計額(厚生年金+健康保険料)は、26,000円+15,000円=4万1千円となり、会社の負担分も含めれば、毎月合計8万2千円も納めることになります。

参考:法人の月額の「厚生年金保険料」と「健康保険料」の合計額
厚生年金保険料 健康保険料
給料 年金 本人負担 本人+会社合計 健保 本人負担 本人+会社合計
20万円 17,000円 34,000円 10,000円 20,000円
30万円 26,000円 52,000円 15,000円 30,000円
40万円 35,000円 70,000円 20,500円 41,000円
(平成26年6月調査)

 社会保険(厚生年金・健康保険)の正確な「(都道府県別)保険料額」をお知りになりたい方は、全国健康保険協会の「保険料額表」をご覧ください。


  4.国民年金は低負担。 しかし・・・  

 前項にも記載しましたが、個人事業の場合、国民年金保険料は年間約18万円で済みます。一方、法人化(会社を設立)して厚生年金保険料を支払った場合、月給30万円なら年間合計で60万円個人負担額は年間30万円)かかります。厚生年金の保険料は、国民年金と比べると「高いなぁ~」という気がしますね。

 しかし、みなさんご存知の通り、この金額の差額は「老後の年金受取額に直接ハネ返ってくる」ものとなります。国民年金保険料のみを20歳~60歳まで払い続けた場合、65歳から受け取るとすると、年間で79万円弱しか受け取れません。月額に換算すると約6万5千円です。こんな少額では、老後を生き抜くのに苦労することが予想されます(ただし、毎月400円の付加保険料<付加年金>をプラスすれば、40年後には年 96,000円 がプラスされます<200円×加入月数=96,000円>。月換算で8,000円プラス。国民年金加入者の方は、付加年金にご加入されることを是非おすすめします。詳細はこちら

 ちょっと生々しい話ですが、
①高齢者になった時にアパートを借りていれば、(今の物価水準が続いていたとしても)家賃月額 3~5万円の出費、
②所有マンションだったとしても、管理費+修繕積立金で月額2万~4万円&固定資産税が年10万円以上の出費、
③持ち家であれば、固定資産税で年20~50万円もの出費があり、「無条件」で消えてなくなります。
7万円ちょっとの年金から、これらを差し引き、更に電気・ガス・水道代を差し引くと、食費や通院代のお金もわずかしか出てきません(生活保護を受けるとなると、単身の高齢者で約6万、高齢者の夫婦世帯で9万円ちょっと(いずれも地方都市の生活保護費のケース)まで差額分の支給を受けられるものの、自動車の保有や預貯金・ブランド品などは持つことが許されないばかりか、健康であれば老後も働くことを当然要求されます)。これが、国民年金(個人事業主)の現実なんです。

 悲観的なお話が続いてしまいましたが、・・・実際には、当サイトをご覧いただいている大半の方がサラリーマンを経験されていらっしゃる(一定期間、厚生年金保険料を支払っていた)でしょうから、厚生年金の上乗せ分を足せば、確実に8万円以上の金額は受け取れることと思います(もちろん、夫婦世帯なら単純に「 ×2倍 」以上の金額ですね)。とはいえ、将来的に国民年金の加入期間が長くなれば長くなるほど、年金の受取額は相対的に下がっていきますので、独立・起業を検討される場合は、このような「人生設計」の部分も含め、よーーく考えてからスタートされるといいですね。