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  株式会社 - 電子定款の作成&認証 (1)
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1. 電子定款なら4万円を節約可!
2. 電子定款の自力作成は大変
3. 電子定款作成の手順・流れ
3 -①. 定款の記載内容を決める
3 -②. PDF作成ソフトで定款作成
3 -③. 住民基本台帳カードを取得
3 -④. 電子証明書を取得
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3 -⑤. ICカードリーダライタを準備
3 -⑥. 電子署名プラグインで署名
3 -⑦. 公証役場と事前打合せ
3 -⑧. 電子申請を行う
3 -⑨. 公証役場で定款認証
3 -⑩. 法務局で法人設立登記
4. 電子証明書は厳重に管理!


  1.電子定款なら、印紙代4万円を節約できます!  

 定款は、従来は紙の文書にて作成していましたが、現在は電子文書(PDFファイル)による定款、すなわち「電子定款」を作成して認証手続き等を行うことも可能です。紙の定款の場合、4万円の収入印紙を貼る必要がありますが、電子定款の場合、印紙代4万円は不要となっています。4万円を節約できるのは、スゴイですね。ただし、手続きはかなり煩雑で、時間もかかります。

株式会社の設立 合同会社の設立
紙の定款 電子定款 紙の定款 電子定款
収入印紙 40,000円 0円 40,000円 0円
定款認証費 50,000円 50,000円
登録免許税 150,000円 150,000円 60,000円 60,000円
合 計 240,000円 200,000円 100,000円 60,000円
お得分 40,000円 40,000円

その他に、設立にかかる諸費用(実印作成、実印作成、銀行残高証明書の発行、その他諸経費)として、5万~6万円程度かかります。


  2.電子定款を自分で作成するのは、結構大変です。  

 「印紙代4万円がタダになる!これはオトク。じゃあ、自分で電子定款を作ろう!」とお考えの方も多いかと思います。しかし、電子定款を作成する(&認証を受ける)には、ただ単にPDFファイルで作成して提出すればいいというものではなく、それと同時にかなり面倒な手続きも必要となります。費用もまともに支払うと3万5千円程度かかります。また、一連の手続きを完了させるには、手続きが煩雑なこともあり、相応の期間を要します。

 つまり、「手間、カネ、時間」を要する大変な作業になります。本業の開業準備に忙しい中、電子定款作成にばかり手間ヒマを取られてしまうのも、少々もったいない気もしますね。このため、定款の中身(原稿)は、ご自身で作成したとしても、それを電子定款に変換するのは「行政書士」などに頼んでしまったほうが正直ラクだと思われます。安いところなら1万円程度で請け負ってくれます。

 とはいえ、「電子定款を作成する手続きなどを把握しておきたい」、「それでも自分で電子定款を作りたい」とお考えの方々もいらっしゃるでしょうから、一連の手順等について以下に詳しくご説明いたします。なお、電子定款をご自身で作成する際は、必ず「公証人役場」「法務局」「市区町村役場」などに事前に問い合わせ、問題なく作成できると判断&確信してから実行するようにしてください。「見切り発車でPDFソフト等を購入したものの、途中であきらめた。損しちゃった!」ということにならないよう、ご注意ください。


  3.電子定款作成の手順(手続きの流れ)  

 電子定款の作成及び認証(提出)の手続きは、次のような手順・流れになります。以下に詳しく解説いたします。

定款の記載内容を決める

PDF作成ソフトで電子定款を作成

住基カード(住民基本台帳カード)を取得する

「公的個人認証サービスの電子証明書」を取得する

ICカードリーダ・ライタを準備する

電子署名プラグインソフトで定款(PDF)に署名

公証役場と事前打ち合わせをする

電子申請を行う(電磁的記録の認証の嘱託)

公証役場に行き、定款の認証を受ける

法務局で法人の設立登記をする








  3.手順1: 定款の記載内容を決める  

 定款は会社の「基本憲法」です。一番大事なのは、「定款に何を記載するか」ですね。この内容が決まらなければ、紙の定款であれ 電子定款であれ、会社は設立できないわけですから、まずはどんなことを記載するかをしっかりと決めましょう。

 インターネットで定款の記載例なども多数掲載されていますが、断片的に書かれているものが大半ですので、定款の記載方法について詳しく書かれている本(「株式会社の設立マニュアル」や「合同会社の作り方」等)を本屋さんで探してきて、じっくりと定款の案を練ると良いと思います。

 実際に開業してしまえば、定款のことなんかすっかり忘れてしまいますが(笑)、ある特定の内容を定款に記載しなかったり、或いは余計な制約事項を記載してしまったりしたことにより、トラブルが起きることも考えられます。すなわち、書く内容によって法的効力も大きく異なってきます。ご注意ください。

 なお、定款の記載内容が正しいかどうかについて、公証役場で事前にチェックしてもらうと良いと思います(株式会社設立の場合)。ただし、合同会社の場合、「公証役場での認証手続き」がありませんので、法務局などで事前チェックしてもらうと良いと思います(法務局の場合、担当者によっては電子定款について詳しくない方もいらっしゃるようですので、鵜呑みにせず、ご自身でも再度検証作業をしましょう)。


  3.手順2: PDF作成ソフトで電子定款を作成  

 電子定款を作成する場合、Word や 一太郎 などのワープロソフトで作成した定款の原稿を、PDFファイルに変換する必要があります。PDF変換ソフトは、様々な会社のものが出回っていますが、「電子署名付き電子定款」の作成に対応しているのは、Adobe Acrobat XI (11) Standard (又はProfessional) くらいです(事実上 Adobe社 の独占状態)。残念ながら、格安のいきなりPDF EDIT 7などは対応不可となっています。

 Adobe Acrobat XI Standard を新品で購入する場合、3万円前後もします(Adobe Acrobat XI Standard 日本語版 の価格一覧)。高いですねー。まともに購入したら、印紙代4万円節約分の大半がパーになってしまいます。


 ただし、裏技として、型落ち品の「Adobe Acrobat XI Standard」をネットショピングネットオークションで購入するという方法もあります (OEM版の場合、お使いのPCに対応していない可能性がありますので、ご注意ください。また、X (10) 以下のバージョンは、Adobe社のサポートが終了しています)。

 なお、以下に参考リンクとして法務省による解説ページを掲載しましたので、詳細はこちらでご確認ください。
参考リンク 登記・供託オンライン申請システム(法務省) - オンライン申請利用上の注意

  3.手順3: 住基カード(住民基本台帳カード)を取得する  

 住基カード(ICカード付き)を取得すると、「電子証明書による本人確認を必要とする行政手続き」のインターネット申請が可能となります(下記(3)の電子証明書の申請が可能となります)。株主となる社長(代表社員)など、定款に名を連ねる個々人の住基カードをあらかじめ取得しておきましょう。住基カードは、お住まいの市区町村窓口で取得できます。

 カード申請の際には、
  ①写真(45mm×35mm)
  ②運転免許証などの証明書
  ③住民基本台帳番号
  ④印鑑
  ⑤手数料(500円前後)        などが必要となります。

 カードは、約30分~1時間程度で交付してもらえます(自治体によっては翌日交付になる場合もあります)。
参考リンク 総務省 - 住民基本台帳カード総合情報サイト


  3.手順4: 「公的個人認証サービスの電子証明書」を取得  

 「公的個人認証サービスの電子証明書」とは、実印の印鑑証明書にあたるものです。紙の定款に実印の捺印や署名をするのと同様に、電子定款にも電子証明書を添付する(電子署名を行う)必要があります。

 電子証明書のサービスを受けるには、前述の住基カードを使って市区町村窓口で登録&発行の申請手続きを行います(印鑑登録に相当する手続きを行います)。

 申請の際には、
  ①電子証明書新規発行/更新申請書(市区町村窓口にあります)
  ②住民基本台帳カード
  ③運転免許証などの顔写真付きの公的証明書
   (顔写真付きの住民基本台帳カード持参の場合は不要)
  ④手数料500円            などが必要となります。

 取得した電子証明書は、個人の住基カードに保存(記録/格納)されます。証明書を格納した後の住基カードは、「実印が中に入っている」のと同じ状態になりますので、取り扱いには尚一層注意を払う必要があります。

 なお、言葉の定義についてですが、「電子証明書=印鑑証明書」、「電子署名=印鑑の捺印(自筆の署名)」に相当します。

 なお、公的個人認証サービスの電子証明書は、各都道府県知事より発行されますが、実際の発行手続きは、お住まいの市区町村窓口にて行われます。
参考リンク 公的個人認証サービス(JPKI)